中国・山東省大学生ソフトウェア設計コンテストで運転VRシステムがグランプリ
2017年11月30日
ニュース
11月25日、第15回山東省大学生ソフトウェア設計コンテストの表彰式が中国・山東省済南市の山東交通学院で開催された。グランプリには、山東省青島市・中国石油大学(華東)の学生5人組(
胡永泽さん、高振卓さん、高伟さん、杨金路さん、毕驰さん)がつくった「VRを使った運転免許試験模擬システム」が輝き、賞金1万元が授与された。また準グランプリは山東省東営市・中国石油大学勝利学院の「高齢者介護スマートアシスタントシステム」と山東省済南市・山東大学の「ドライバーアシスタントシステム」が獲得し、それぞれ2000元が授与された。
グランプリの「VRを使った運転免許試験模擬システム」は、VRゴーグルとハンドル、アクセル、ブレーキ、シフトレバーなどを備え、実際に運転する感覚で操作するシステム。キーを回してエンジンをかけ、運転をスタート。前後左右の風景だけでなく、エンジン音も再現するなど、高いリアリティをもつ。例えば、ウインカーなしで車線変更すると減点されるなど、実際の運転免許の実技試験と同じ行程を体験することができる。
準グランプリの「高齢者介護スマートアシスタントシステム」は、声でコントロールすることで、窓やカーテンを開閉したり、少し離れたところにある物を取ってきたりするロボットなどに、スマートフォンを組み合わせた介護システム。同じく準グランプリの「ドライバーアシスタントシステム」は、よい運転習慣を身につけるためのスマートフォンアプリで、ナビゲーションと混雑状況、データ分析モジュールを備え、ドライバーを安全な運転に導く。荒削りながら、いずれの作品も実用性に富んだ作品だった。
山東省大学生ソフトウェア設計コンテストは、山東省を中心としたプログラミングコンテストで、中国だけでなく世界の大学生に門戸が開かれている。今年はハワイからの参加もあった。17の課題についてプログラミングを行うソフトウェア部門と、日本語と韓国語によるコンピュータ知識を問う外国語部門がある。今年のソフトウェア部門には、56の大学から970チーム、計5800名がエントリ。グランプリ、準グランプリのほか、一等賞73名、二等賞142名、三等賞219名が決定した。
表彰式では、開催校山東交通学院の唐勇党委副書記長や、主催団体の一つである済南市科学技術協会の路来良副主席が祝辞を述べた。また来賓として表彰式に招かれたBCN会長兼社長でITジュニア育成交流協会の奥田喜久男理事長は「1年間の苦労が報われ表彰されたみなさんおめでとう。人は夢によって導かれる」と祝辞を述べた。さらに、ITジュニア育成交流協会が支援しているコンテストの一つ、U-16プログラミングコンテストの状況を来場者に紹介した。また、論語の一節を中国語で披露したり、日本語で張継の楓橋夜泊を吟じたりして、会場を大いに沸かせた。(BCN・道越一郎)
(取材・文・写真:ITジュニア育成交流協会 道越一郎)