U-16プロコン札幌大会、OSC 2018北海道でお披露目
2018年07月13日
ニュース
7月6・7日の2日間、北海道札幌市の札幌コンベンションセンターで、オープンソースカンファレンス 2018 北海道(主催:オープンソースカンファレンス実行委員会)が開催された。北海道のU-16プログラミングコンテスト実行委員会は、昨年に続いてセミナーと展示で同志を募った。
コミュニティが支える北海道のU-16プロコン
毎年、全国各地で開催されているオープンソースカンファレンス(OSC)のなかでも、北海道のOSCは東京に次ぐ規模を誇るオープンソースのお祭りだ。今年は66のコミュニティが参加し、70を超える展示ブースと50本のセミナーで来場者に「オープンソースのいま」を伝えた。
北海道のU-16プログラミングコンテスト実行委員会は、現在、道内で大会を開催している旭川、釧路、帯広の有志のほか、道内各地域の技術系コミュニティ活動を支援する一般社団法人LOCALのメンバー有志で組織される。実行委員会やコミュニティのメンバーは重複参加者がほとんどで、連携の強さを感じさせる。昨年のOSC2017北海道で初めて「U-16プログラミングコンテスト(U-16プロコン)」をテーマに行ったセミナーは、今年は10月28日に第1回を開催する札幌大会を前面に押し出しながら、大会の意義や競技部門で使用するゲーミングプラットフォーム「CHaser」の解説、デモンストレーションなどを行った。
講師は、U-16プロコン札幌大会実行委員長を務める八巻正行さん。30人を超えるセミナー参加者を前に、旭川市で8年前に始まったU-16プロコンの歩みを簡単に紹介した後、開催の意義の一つとして、「PCが好きな子どもたちに、夢や目標となる場所を提供する。好きだけれど、何をやればいいかわからない子どもの目標になればいい。そんな子どもを『PCが好きな消費者』で終わらせてはいけない」と、プログラミング修得の入口として、すそ野を広げていく活動であることを挙げた。
また、プログラミングを学ぶ高校生・高等専門学校生が16歳以下の後輩たちを直接指導していくことでともに成長するだけでなく、そこから生まれる「縦のつながり」や、同世代の子どもたちが集まって学校の垣根を越えて切磋琢磨し、交流することで生まれる「横のつながり」を強調。なかでも、「子どもがプログラミングをやることがえらい、のではない。大人と同じ道具・手法でプログラミングを実践する子どもたちをわれわれが一人のプログラマとして認め、向き合うことで、さらなる自信と向上心をもってもらいたい。それが、情報技術を通じての子どもたちの健全育成や将来のITエンジニア育成につながる」という言葉が印象に残った。
10月28日、札幌コンベンションセンターで開催
大会の説明と「CHaser」の解説の後は、競技部門のデモンストレーションとして、2016年の旭川・北海道大会で優勝した中学3年生による「歴代最強プログラム」と、3人の大人たちがそれぞれつくったプログラムがトーナメント形式で対戦した。決勝戦は、U-16プロコンの生みの親の一人による高度なロジックを駆使したプログラムに対して、オーソドックスな手法を積み重ねて綿密に組み立てた「歴代最強プログラム」が勝利した。対戦中は会場から声が上がるなど、セミナー参加者の反応は上々。北海道情報専門学校の学生がイラストを描いた札幌大会のチラシを手に、八卷実行委員長はPRに余念がなかった。今後、コンテストに参加する中学生を集めた事前講習会の準備に取りかかる。
第1回U-16プログラミングコンテスト札幌大会は、札幌の街を挙げてのIT・カルチャーイベントである「No Maps」のイベントの一つとして子どもたちにさまざまなプログラミング体験を提供する「ジュニア・プログラミング・ワールド2018 with TEPIA」と同時に開催する。10月28日午前10時、札幌コンベンションセンターに集まる子どもたちの目の輝きが楽しみだ。
(文・写真:ITジュニア育成交流協会 市川 正夫)