愛知にもU-16プロコンの灯、豊田工業高専で開催
2019年09月04日
イベント
8月24日、愛知県豊田市の豊田工業高等専門学校で、「夏だ! どえりゃーすげぇプログラムだがや!」をテーマに、第1回U16愛知プログラミングコンテスト(主催:U16愛知プログラミングコンテスト運営委員会)が開催された。
愛知県下のU-16プロコンが、作品部門で始まった。コンテストの運営や指導にあたるのは、豊田工業高等専門学校(豊田高専)情報工学科の学生たち6人。豊田高専は、これまでも地域の小・中学生向けに、プログラミングや情報・電子回路の技術を用いたものづくりに興味をもってもらうことを目的に公開講座などを数多く開催してきたが、今回はこれをデジタル作品づくりの講座と、ゴールとしてのコンテストという二段階の仕立てにした。プログラミングの経験のない子どもでも参加できるよう、夏休みに4回の開発支援日を設け、学生スタッフがアドバイスしたり、作品のベースづくりを手伝ったりといったフォローを実施。希望者にはシングルボードコンピュータ「IchigoJam」を貸し出し、レクチャーをしながら作品づくりをサポートした。
コンテストには、小・中学生と豊田高専の1年生ら12組が参加した。まず、司会者のインタビューに答えるかたちで子どもたちが自分の作品をプレゼンテーション。その後、実際に作品を動かすデモンストレーションと質疑応答での審査が審査員の豊田高専教授陣・学生によって行われた。当日参加できない子どもたちは作品だけで参加し、開発支援日に指導にあたった学生が本人の代わりにプレゼンテーションを行った。子どもたちは緊張しながらも、自分の作品の開発目的、概要を的確に紹介し、審査を受けていた。運営を後ろから支えてきた都築啓太准教授は、「いつものプログラミング教室の参加者とは、ちょっと違うタイプの子どもたちが参加している」と、自分の作品を「見てもらう」「評価してもらう」というコンテスト形式によって、ふだんとは異なる層の子どもたちが集まったことを今大会の特徴として挙げた。
審査員が別室に引き上げて集計作業に取りかかると、北海道旭川工業高校の下村幸広教諭によるU-16プロコン競技部門のデモンストレーションと解説が行われた。豊田高専の学生たちもゲーミングプラットフォーム「CHaser」で得点を競う競技部門には興味がある様子で、「時間をつくって、年内にはコンテストを開催できれば」と話していた。
審査の結果、最優秀賞に輝いたのは、小学校5年生の佐藤還太さんの作品「ぼくらの夏祭り」。IchigoJamで射的と金魚すくいをイメージした2種類のゲームをつくり上げた。金魚すくいでは、一匹でもすくいあげればお祝いの花火が上がる演出を入れた。「家族や友人、夏を楽しみたい人のためにつくった」という。佐藤さんは、来年1月、東京・品川で開催されるBCN ITジュニア賞表彰式に招待され、BCN ITジュニア U-16賞を受賞する。
(文・写真:ITジュニア育成交流協会 市川正夫)