U-16プロコンついに札幌でも、競技部門の初代勝者は藤田響さん

 札幌にもU-16プログラミングコンテストの環が広がった。U-16プログラミングコンテスト札幌大会実行委員会は10月28日、札幌市の札幌コンベンションセンターで「第1回 U-16プログラミングコンテスト 札幌大会」を開催。ギャラリーや選手、関係者含めておよそ70人が参加した。今年で2回目を迎えた「ジュニアプログラミングワールド2018 with TEPIA」との併催もあり、ふらっと会場をのぞきにやってくるギャラリーも多く見られた。コンテストは「競技部門」と「作品部門」の2部門で開催。あらかじめ作った自律プログラムで動くコマと相手のコマを戦わせる「競技部門」では、札幌市立東月寒中学校の藤田響さんが優勝。コンピュータープログラムなどの「作品部門」では、安平町立追分小学校の猪瀬豊さんが金賞を獲得した。

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競技部門で優勝した札幌市立東月寒中学校の藤田響さん

 参加対象は札幌市とその近隣地域在住の16歳以下。競技や作品作りを通じてプログラミングの楽しさを味わってもらい、将来の日本のものづくりを担うであろう、まだ小さな心に情熱の灯火をつけることを目的とする。競技部門は対戦ゲーム「CHaser」を使ったトーナメント戦。第1回開催の今回は17人が参加した。優勝した藤田さんに続き、準優勝は札幌龍谷学園高等学校の井上慎之介さん、3位は北海道教育大学付属札幌中学校の市毛大渡さんが獲得した。

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競技部門で11月3日の全道大会に勝ち進んだ上位入賞者。左から市毛さん、藤田さん、井上さん

 午前の予選では、運営側が用意したボットと選手のコマを対戦させ点数を競い、決勝のトーナメント表を決定。午後の決勝トーナメントで選手のプログラム同士を戦わせた。それぞれの競技で2回戦い、勝利数や獲得点数で勝ち負けを競うルール。予選では、1カ所にとどまって動かないコマや、場外に飛び出して自滅するコマなどが続出。先行きが心配されたが、決勝トーナメントでは、各選手が直前まで必死に行ったプログラム調整の甲斐あって、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。決勝戦では藤田さんの2連勝で決着。最後は優勝を争った井上さんと健闘をたたえ合い、固い握手を交わして戦いを終えた。また、予選を1位で通過したものの、トーナメント1回戦で惜しくも敗退した札幌日本大学高等学校の猪俣晴生選手に対しては、プログラムの完成度を評価し審査員特別賞が授与された。

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「作品部門」で金賞を獲得した安平町立追分小学校の猪瀬豊さん

 競技部門で優勝した藤田さんは表彰式で「優勝は自分の力だけではなく、プログラミングクラブ・コーダー道場の人たちや親の助けを得たおかげ」と話した。また、作品部門で金賞に輝いた猪瀬さんは7歳。ゲームオーバーがなく、無限に点数が入るパソコンゲーム「マークキャッチ」が高く評価された。「DSやファミコンのゲームに飽きたので本作品を作った」といい、表彰式では「来年は競技部門に出場したいです」と力強くコメントした。

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来年以降も継続して開催したいと話す八巻正行実行委員長

 八巻正行実行委員長は挨拶で「1回目ということで、参加選手を集めるのに苦労したが、競技部門と作品部門で計20人の参加があり、ほっとしている。今回は、事前講習会でファイル保存の方法を教えるところから始めるほど、ほとんどの参加者がプログラミングが初めてだった。しかし、決勝トーナメントでは、大人顔負けのロジックが組み込まれたものも多く見られ、将来が楽しみだ。来年以降もぜひ継続して開催したい。今年悔しい思いをされた方は来年リベンジしてほしいし、今年卒業される方は、来年は後輩に教える側に回ってほしい」と話した。

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競技部門をきっかけとして、新たな挑戦をしてほしいと話す、下村審判長

 また、競技部門で審判長を務めた北海道旭川工業高等学校情報技術科の下村幸広教諭は、大会を振り返って「U-16プログラミングコンテストは、旭川で8年前に始めた。当時は、そんなことができるわけがない、クレイジーと言われた。しかし今回、初開催の札幌大会を見て、選手のみなさんの力はすごいと改めて思った。競技部門はプログラミングの入り口。これをきっかけにさらに新たな挑戦をしてほしい」と話した。今回、競技部門で3位までに入賞した選手は、11月3日に旭川で開催される「U-16プログラミングコンテスト 全道大会」に出場できる。この全道大会で優勝した選手は、2019年1月18日に東京で開催する「BCN AWARD 2019 / BCN ITジュニア賞 2019」表彰式で授与されるBCN ITジュニア U16賞にノミネートされる。(BCN・道越一郎)

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参加者、関係者全員で記念撮影