愛媛初開催の若年者ものづくり競技大会・電子回路組立てで関東職業能力開発大の二宮拓務さんが金賞
2021年08月06日
イベント
去る8月4日、5日の2日間、「第16回若年者ものづくり競技大会」が愛媛県の愛媛国際貿易センター(アイテムえひめ)はじめ4会場で開催された。BCN ITジュニア賞の対象カテゴリー「電子回路組立て」職種は、愛媛国際貿易センターの大展示場で開催。関東職業能力開発大の二宮拓務さんが金賞を獲得した。BCN+Rに掲載した大会の模様を転載する。
厚生労働省と中央職業能力開発協会は8月4日、5日の2日間にわたり「第16回若年者ものづくり競技大会」を開催した。昨年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止したが、今年は感染対策に万全を期して開催した。今回の舞台は愛媛県。中・四国では初めての開催だ。会場は愛媛国際貿易センター(アイテムえひめ)はじめ4会場。全15職種で123名が入賞し、「電子回路組立て」職種では、関東職業能力開発大学校の二宮拓務さんが金賞/厚生労働大臣賞を獲得した。
若年者ものづくり競技大会は、職業能力開発施設や工業高等学校などで技能習得を目指す20歳以下の若者が、それぞれの分野で腕を競う大会。対象職種はメカトロニクス、機械製図(CAD)、旋盤、フライス盤、電子回路組立て、電気工事、木材加工、建築大工、自動車整備、ITネットワーク、システム管理、ウェブデザイン、業務用ITソフトウェア・ソリューションズ、グラフィックデザイン、ロボットソフト組込み、造園の15職種だ。
電子回路組み立て職種には、北は北海道から南は長崎までの18名が参加した。競技は、8月4日の8時50分から13時まで、愛媛国際貿易センターの大展示場で実施。指定された基板の組立てと競技仕様書に記載された動作を行う制御プログラムの制作で競った。配点は「組立て基板の制作」が40点、「制御プログラムの制作」が50点、「作業態度」が10点。計100点満点で採点し優劣を決した。
組立て基板の制作は、指定の位置に指定の部品を水平または垂直に正確に取り付けることが求められる。部品にはチップ抵抗などの表面実装部品も含まれ、はんだ付けの難易度も高い。さらに、はんだ付けの品質も要求され、単に動作するだけでなく美しい基板につくり上げることも必要だ。また、プログラム言語はC。仕様書通りに動作をすることはもちろん、読みやすくわかりやすい記述が必要だ。改修を念頭に置いた保守性の高い構造で書くことも求められる。競技では、主催者が用意した開発環境とハードウェアを使用し、キーボードやマウスなども含め持ち込みは認められない。また、工具類も指定工具以外の使用は禁止されている。
4時間の熱戦を経て金賞に輝いた二宮さんに続き、銀賞を愛媛県立松山工業高等学校の稲田颯汰さん、銅賞を四国職業能力開発大学校の関敦哉さんと長崎県立長崎工業高等学校の大石澪弥さんが獲得。敢闘賞に4人の選手が選ばれた。金賞に輝いた二宮さんは来年1月、BCN IT ジュニア賞2022の受賞者としても表彰される。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)