第9回U-16プロコン北海道大会、釧路代表の河澄葵さんが優勝、決勝では想定外の出来事も

 U-16旭川プログラミングコンテスト実行委員会は12月18日、第9回U-16プログラミングコンテスト北海道大会を開催した。会場は北海道・旭川市にあるイオンモール旭川駅前4Fのイオンホール。これまでは旭川大会と同日に開催していた北海道大会だが、今回から単独開催に切り替えた。戦いの舞台は対戦型ゲームプラットフォームCHaser。旭川、釧路、札幌、函館の各地で開催した、U-16プログラミングコンテスト競技部門の上位4名、計16名が北海道の頂点を目指して戦った。熱戦の末、釧路代表の釧路市立鳥取中学校1年の河澄葵さんが優勝した。

 2011年に旭川で始まったU-16プログラミングコンテスト。釧路、帯広、札幌、函館へと広がり、北海道大会は14年にスタートした。開会式であいさつに立った、旭川工業高等専門学校 校長で、U-16旭川プログラミングコンテスト実行委員会の五十嵐敏文 実行委員長は「各地区で勝ち上がった皆さんは、ワールドカップサッカーに例えれば、グループステージを突破したチーム。今日の戦いは強敵が待ち構える決勝トーナメントへの挑戦だ。これまでの勉強の成果や経験を駆使して頑張ってほしい」と話した。

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開会式であいさつに立つ、旭川工業高等専門学校 校長で、U-16旭川プログラミングコンテスト実行委員会の五十嵐敏文 実行委員長

 釧路大会を1位で通過した河澄さんは、第1試合に登場。1回目の対戦では2ポイント差での辛勝だったが2回目では6ポイント差で勝利し勝ち上がった。2回戦は、一回り狭く両者が出合いやすい、通称「バトルマップ」での戦い。1回目は3ポイント差で勝利。2回目では見事プット勝ちを決めて、次にコマを進めた。準決勝では1回目4ポイント差で1敗したものの、2回目で7ポイント差で勝利し、決勝に進出した。決勝戦の対戦相手は、旭川大会で1位通過した、富良野市立富良野西中学校3年の石黒幹太さん。1回戦ではプット負けを喫したがポイント差で勝利。2回戦ではプット勝ちで勝ち抜け、準決勝では2戦ともプット勝ちを収め、上り調子で決勝に臨んだ。

 決勝は釧路対旭川の戦い。対戦を前に河澄さんは「決勝まで来ることができて、ものすごく興奮している。今日の調子はいいほうだが、決勝のマップは苦手な形。勝てるかどうか不安」と話した。一方石黒さんは「ここまでやっと来た。マップ的には得意なので勝って終わりたい。強化したランダムウォークは比較的うまく機能していると思う」と話した。決勝戦1回目は、全130ターンのうち、89ターンを残して石黒さんが通信エラーで異常切断。想定外の事象で河澄さんが勝利した。2回目は11ポイント差で石黒さんが勝利を収めたものの、総合ポイントで上回った河澄さんが勝利し、優勝を決めた。

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決勝戦1回目の対戦、痛恨の通信エラーで石黒さんが河澄さんに勝ちを献上した

 優勝した河澄さんは「苦手なマップで優勝できてとてもうれしい。戦いが終わって緊張感が一気に解けた。プログラムにはまだ改善の余地があるので、そこを改善してまた来年挑戦したい」と話した。準優勝の石黒さんは「斜めの敵に対してブロックを置くプログラムがうまく動作せず、通信エラーになってしまい悔しい」と話した。

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閉会式で挨拶した旭川市の今津寛介 市長

 閉会式で挨拶した旭川市の今津寛介 市長は「本日、出場された皆さんに心から敬意を表したい。16歳までで選手を終えて、その後運営側に回る、いわゆる『旭川モデル』の推進は先駆的取り組みで、旭川市が誇っていいものだと思う。市役所でもDXを通じて市民の皆さんの利便性向上に取り組んでいるところ。今後もU-16プログラミングコンテストがますます盛り上がるよう心から期待している」と話した。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)