フードロスが許せないという5年生のアプリが最優秀市長賞──U-16プログラミングコンテスト八王子大会

 U-16プログラミングコンテスト八王子大会実行委員会は11月19日、八王子市の東京たま未来メッセで、第3回U-16プログラミングコンテスト八王子大会を開催した。本選に勝ち残ったU-13部門の10名とU-16部門の12名が個性あふれる作品のプレゼンテーションを披露。審査の結果、U-13部門では、八王子市立由井第三小学校4年 河地智陽さんの「とんでけJUMPMAN」が市長賞を受けた。U-16部門では、八王子市立いずみの森義務教育学校5年 伊藤修一さんの「Food loss breaker」が最優秀市長賞を受けた。

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U-13部門で市長賞を受けた河地智陽さん

 U-13部門で市長賞を受けた河地智陽さんの「とんでけJUMPMAN」は、軽快な音楽とともにキャラクターをジャンプさせて遊ぶシンプルなゲーム。遊びながら日本や八王子の歴史がクイズ形式で学べる点がポイント。歴史クイズの範囲は旧石器時代から明治時代までと幅広い。元気なプレゼンテーションの内容も審査委員から高く評価された。

 U-13部門ではこのほか、教育長賞に八王子市立大和田小学校6年 塩川穏道さんの、ビリヤードをモチーフにしたゲーム「remake SHOT」、技術賞に八王子市立宮上小学校6年 黒岩春紀さんの、スクラッチ上で利用するプラットフォーマーを活用したゲーム「技が使えるプラットフォーマー」が輝いた。また、八王子市立由井第二小学校6年 名和祐志さんの「育成型戦闘ゲーム」、八王子市立小宮小学校6年 伊東知紘さんの「~地球を守れ~ 地球護衛ゲーム!」が、それぞれ特別賞を受けた。

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U-16部門で最優秀市長賞を受けた伊藤修一さん

 U-16部門で最優秀市長賞を受けた伊藤修一さんの「Food loss breaker」は、パーティーや食事会などで食べ物を持ち寄る際、フードロスが出ないようにするアプリ。食事の好みなども考慮しつつ、参加者それぞれが食べきれる食事量を計算し、持ち寄る食べ物の適正量を算出する。将来的には飲食店と連携し、割引なども取り入れながら食べきれる範囲内で食べ物を提供してもらう、というアイディアも示した。審査員からは「もはやプログラミングコンテストを越え、ビジネスコンテストの域に達している」との評価もあった。

 U-16部門ではこのほか、優秀教育長賞に、八王子市立別所中学校2年 福永大揮さんの、安全にパチンコを楽しめるゲーム「パチンコこんぶみかん」、技術賞に、東京都立南多摩中等教育学校1年 松岡祈さんの、書籍のバーコードを読み取ってメモが作れる「読書メモ」がそれぞれ輝いた。また、八王子学園八王子中学校3年 長田伊織さんの「心理テスト」、八王子市立松木中学校2年 松任悠吾さんの「Effective use time」、八王子市立南大沢中学校2年 吉村颯眞さんの「MojiVoice」がそれぞれ特別賞を受けた。

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審査委員長を務めた、サイバーシルクロード八王子の坂本佳子 副会長が講評

 審査委員長を務めた、サイバーシルクロード八王子の坂本佳子 副会長は、表彰式で「素晴らしい作品ばかりだったので審査に苦労した。どの作品にも共通していたのは、ゲームやアプリを使う人にとってどんなものがいいのか、という工夫があったことだ。また、分からないことを聞いたり調べたりして解決し、作品を完成させたと思う。解決できたうれしさ、楽しさを忘れず、今後も、使う人を一番に考えて作り続けてほしい」と講評した。

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主催者を代表して挨拶する東京工業高等専門学校の谷合俊一 校長

 また東京工業高等専門学校の谷合俊一 校長は主催者代表挨拶で「2年前の応募者は30名だったが、今回は366名と12倍に増えた。次の目標は全国大会。八王子の子どもたちが全国大会で活躍する姿を見たい」と話した。応募者が増えたことについて谷合校長は「今回、特に増えたのはU-13部門。八王子市の教育委員会がとても協力的で、教育長自らが小学校に参加を呼び掛けたことも大きかった。また、応募方法を簡素化したことも、応募者増の要因」と明かした。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)

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参加者全員で記念撮影