「役立つ」をテーマに進化した第3回GaLboa杯、四川省成都市で表彰式
2017年12月08日
ニュース
12月1日、中国・四川省の大学生を対象にスマートフォン(スマホ)向けアプリの企画や開発の腕を競う「第3回GaLboa(ガルボア)杯」の表彰式が四川省の省都、成都市で関係者らおよそ200人を集めて開かれた。一昨年に続いて今回が3回目の開催で、10チーム・10個人の計37名が入賞した。主催は成都サービス貿易協会。共催は成都ウィナーソフトの子会社である成都サービスアウトソーシングプラットフォームで、日本のゲーム会社、ガルボアが協賛する。前回まではスマホのゲームに限ったコンテストだったが、今回から「社会に役立つ」アプリやゲームをテーマとして、枠を広げた。エントリは、企画内容を競う企画部門が190チーム、プログラミングまで行う開発部門が18チームで、表彰式当日のプレゼンテーション後に最終審査を行い、各賞を決定した。
企画部門の最優秀賞を受賞したのは、ミニゲーム「地球を救う(拯救星球)」を考案した成都ソフトウェア学院の「YooSen」の2人(鄧琪さん、高国慶さん)で、賞金2万元が贈られた。審査員は、「絵がかわいいことと、遊び方が斬新で完成度が高いことを評価した」とした。
開発部門の最優秀賞は、「大学図書館の座席占有状況と分析アプリ(高校图书馆占座与数据分析)」をつくった成都ソフトウェア学院の4人組「N-Library」の皆さん(李永春さん、张洪军さん、黄雷胜さん、邓子玉さん)で、3万元が贈られた。審査員は「テーブルにあるQRコードでアプリにチェックインすることで、他の学生が図書館の空き状況を確認できる実用的なプログラム」と評価した。
商品化の可能性が高いゲームに贈られるGaLboa特別賞は、企画部門の「リア充向けスケジュールアプリ(日程有约)」を考えた成都ソフトウェア学院の厳鵬さんが受賞。「自分のスケジュールを公開することで、家族や友人との約束がしやすい。また、他人のスケジュールを確認でき、お互いが空いている日を確認できるので誘いやすい。自分が行きたい場所があったら、いっしょに行く人を募ることもできる」と、審査員の間で好評だった。
開発部門では「jelly_monster」をつくった成都ソフトウェア学院の宋欣蔓さんが受賞。審査員は、「遊び方が斬新でおもしろい。伸びしろは少ないかもしれないが、完成度が高い」と評価した。
主催者の成都サービスアウトソーシング協会の徐洁秘書長は、「GaLboa杯は、海外市場と直結するオープンなビジネスプラットフォームを目指す革新的な人材育成の場でもある。応募作品は、専門家チームによるアドバイスで、商品化の可能性が高まる。今回から社会に役立つというテーマを掲げ、より広い参加を得ることができた」と話した。
コンテストに協賛する日本のゲーム制作会社、ガルボアの中村文彦専務執行役員は、「今回は、グーグルチャイナなど、現地のソフト会社やメディアが表彰式に出席した。入賞した作品を商品化したいという申し出があれば、ガルボアが間に入って、著作権を守りながらスムーズに商品化できるよう手助けしたい」と話す。ガルボアは、中国子会社のGaLboaチャイナを江蘇省泰州で12月に設立する予定。中国での教育ソフトビジネスを本格化させる一方、学生の支援も行っていく。
今回、GaLboa特別賞を受賞した2人は、副賞として来年1月26日に開催するBCN ITジュニア賞2018の表彰式に招かれ、BCN ITジュニア特別賞を受賞する予定だ。
(取材・文・写真:ITジュニア育成交流協会 道越一郎)