第17回高校生ものづくりコンテスト、松山工業高校の石田有希人さんに栄冠

 11月18・19日の両日、第17回高校生ものづくりコンテスト全国大会(中国大会)が広島県と岡山県で開催され、高校生たちが日頃鍛え抜いたものづくりの技を競った。

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 全国工業高等学校校長協会が主催する高校生ものづくりコンテスト全国大会は、「旋盤作業」「自動車整備」「電気工事」「電子回路組立」「化学分析」「木材加工」「測量」の7部門で、全国のブロック予選を勝ち上がってきた選手たちが技術・技能を競うコンテスト。このうちBCN ITジュニア賞の対象となる電子回路組立部門は、基板制作とプログラミングのスキルを競う組込み技術系のコンテストだ。2時間30分の競技時間内に設計仕様にもとづいて回路を設計・製作し、コンピュータでその回路を制御するプログラムを作成して、課題に沿った動作を行うシステムを完成させる。

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会場の広島県立広島工業高校。この日は寒波が来ていて11月とは思えない寒さだった

 電子回路組立部門の会場は、電気工事、化学分析、木材加工の各部門と同じ広島県立広島工業高校。競技は2日目に行われた。プログラミングやハンダ付けの技術だけでなく、作業態度や服装までが審査されることもあって、選手たちはきびきびとしたしぐさで課題のページをめくり、器具を手にする。2時間30分はあっという間に過ぎ、最後までキーボードを打つ手は止まらなかった。

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選手たちはひと言も発することなく、黙々と作業に取り組む

 競技終了後は、課題をどこまでクリアしたか、実際に動作を確認するプレ審査が行われた。この結果、六つある大課題のうち五つまでを完全にクリアし、六つめに着手していた石田有希人さん(愛媛県立松山工業高校)がこの時点でトップに立ち、本審査に入った。

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電子回路組立部門でただ一人の2年生、優勝した石田有希人さん。来年以降も期待がかかる

 最終成績は、プレ審査で1位になっていた石田さんが優勝/厚生労働大臣賞に輝き、2位に板橋直哉さん(佐賀県立佐賀工業高校)、3位に中島拓海さん(長野県松本工業高校)と、プレ審査の順位通りの結果だった。優勝した石田さんは、電子回路組立部門の選手で唯一の2年生。夏に行われた第12回若年者ものづくり競技大会電子回路組立てでは銀賞だったが、この大会でその雪辱を果たした。石田さんは、BCNが来年1月26日に開催するBCN ITジュニア賞2018を受賞することになる。

(取材・文・写真:ITジュニア育成交流協会 市川正夫)